カタチ

キレイな景色・・・


平和な光景・・・


暖かな風景・・・


癒される環境・・・

この景色を見て人は決して不愉快ではない様々な想いを持つだろう・・・。
でも俺は、複雑な想いで見つめていた・・・。

甥っ子の希望に応えツーリングしまくった終着点に選んだ場所。


自然が溢れ・・・


子供の声が溢れ・・・


笑顔が溢れる公園・・・


そこは昔・・・俺が今の甥っ子ぐらいの頃・・・
竹ざおと、スルメを持って走り回ってた森だった。
川が流れ、底なし沼と恐れる沼もあり、ザリガニも、蛇も、蛙も、虫も、魚も、
とにかく自然が沢山あった。

舗装された道に立ち、ここが昔川だった事を甥っ子に話す。
関心の無い甥っ子を、否、関心の無い周りの人達を・・・
何だか寂しげに見つめる事しか出来なかった。

自然破壊をするな！とかそういう偽善的な話じゃなくてね。

うっそうと茂る木々を見ると、人はそこに怪物を見つける。
溢れ出た水の大きな流れを見ると、人はそこで死を見つめる。
見た事の無い道を見ると、人はそこに不安を見出す。

自分の範疇に無い物に不安を覚えるのが人間だから・・・
不気味なほどに木が生え、危ないぐらいに生き物に溢れていた自然よりも
今の自分のカタチにはまった風景に心地よさを感じるんだろうね。

それで良いのか？悪いとは言えない・・・でも良いとも言いたくは無い・・・。

管理された自然の中・・・

大きな鯉が見えた・・・

小さい頃遊んでた川にも鯉がいた・・・。

その鯉が今も生きていたとしたら・・・。

カタチ・・・最初に俺が撮ってきた写真を見た時と、
今見てる時・・・何か変わったかな？心が少し複雑になったかな？
だとしたら人ってまだ知ってるんだよね・・・本当に良いものが何なのか。


甥っ子が俺に書いてくれた。


２人で思いっきり遊んだもんね。


これを見ると・・・悪いとは言い切れない・・・
でも良いとは・・・やっぱり言えない。