言葉を音に!音を言葉に!
強い濁流で壊れてしまったピアノの中・・・
俺が俺のままで俺の言葉を音に!
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キーンコーンカーンコーン・・・
愛想の無い電子音・・・僕等の開放の合図だ。
「おっしゃー!」一番に廊下に飛び出したのは人気者のキヨシだ。
それを待っていた様に取巻きの何人かが後を追う。
僕等を縛り続けていた石川先生(通称ゴエモン)は
まだ黒板に他人の生涯を書き続けている。
何の変哲も無い普通の日常・・・違うのは僕の頭の中だけだろう。
「おい!メガネ!」
突然呼ばれて驚きながらも声だけで、それがミノルである事がわかった。
「な、なんですか?」
心の中では呼び捨てに出来ても、口からは決して出せない。
僕のこのクラスでの地位である。
いつもの様に頼まなくてもいい様な用事を頼まれて階段へ向かう。
ふと・・・一昨日の事が頭に過ぎった。
アキコちゃん・・・呟いていた・・・。
僕の心の中とは裏腹に優しく鮮やかな明かりを点している
自動販売機の前に着くといつもの様に自分の財布から小銭を取り出し
ミノルに頼まれたグレープ味のソーダ水を買う。
殴る様に拳でボタンを押す事だけが僕の唯一の反抗で
無機質な飲み物が落ちる音が廊下に響き、空しさに襲われる。
いつもの事だ・・・。
「グレープ・・・好きなんですか?いつも買いに来てますよね?」
一昨日だったか・・・この時、後ろから突然話しかけられて
ハッとしたんだ。振り返ると微笑みながら僕を見る女の子が立っていた。
その笑顔が本当に可愛くて何故かドキドキして
「うん。グレープ・・・大好き。」
嘘をついた。グレープのソーダ水なんかミノルの顔がチラついて
ここ数ヶ月飲んだことがない。
そんな些細なやりとりだったけど、忘れられなかった。
いつもは無感情に従うだけだったミノルからの要求も
彼女に会えそうな気がして、何故か嬉しかった。
下校時に女友達に囲まれている彼女を男達に囲まれながらみつけたのは
昨日の事、「アキコ~!待ってよ~!」
アキコって言うんだ・・・僕は殴られながら知った。
ウーーーーーッ!!!!!
突然けたたましいサイレンが鳴って学校が突然騒がしくなった。
「これは避難訓練です。校庭や教室にいる人は
近くの先生の指示に従って・・・」
聞き慣れている放送委員のアナウンスが流れて状況がわかった。
早く教室に戻らなきゃ!ミノルに頼まれたソーダ水を振らない様に
左手を固定しながら二段抜かしで階段を登っていった。
二階と三階の間の踊り場に差し掛かった辺りで目の前に緑色の上履きが
見えた。この学校の上履きは赤と青・・・転校生の証拠、ミノルだ。
ジュースを買ってきた僕にいつもの様に軽い感謝を告げて
誰にも聞かれないようにサイレンに掻き消されそうな声でこう言った。
「おい!メガネ!逃げ遅れた方がおもしれぇとおもわねぇか?」
僕の腕を掴んで二階のトイレに連れ込んだ。
掃除用具が入った個室に僕を詰め込んで拳を構えた。
汚い笑顔、歯が黄色い、煙草でも吸っているんだろうか・・・
ミノルならおかしくは無い・・・
そんな事を思いながら僕は殴られていた。
意識は残像の様なサイレンを残して遠くへと消えていった。
あれからどれぐらい経ったのだろう・・・顔に当たっているモップが
ほのかに湿っていて気持ち悪い。「痛っ!」頬が痛い。お腹が痛い。
ヨロヨロと立ち上がりながらトイレから廊下に出た。
辺りは静まり返っている。
遠くの方で堅苦しい話をしていそうな声が響いているのがわかった。
そうか・・・防災訓練・・・。そんな事を思い出しながら
フラフラと目的地も無く歩いていく。
すると「アキコ!早く~!みんな外だよ!」「ごめんごめん。」
聞き間違えるはずがない。彼女だ。アキコちゃんだ。
何故か非難が遅れた様子のアキコちゃんの後姿を見ながら
出てきた教室を見る・・・「1年C組・・・」
一年後輩だと初めて知った。
気が付くと僕はC組の教室に足を踏み入れていた。
何故か、彼女の席を知りたくなったんだ。
休み時間中の避難訓練だった為か、授業の残骸が机の上に散乱している。
そこからアキコという名前を見つけるのは造作も無かった。
窓際から内へ3列目の後ろから3列目、そこに彼女の席はあった。
座って机に顔を伏せる・・・彼女の匂いがするみたいだ。
僕はおかしくなってしまったのだろうか・・・
でも彼女に凄く近づけた気がした。
ドキドキしながら立ち上がり、その場を去らねばいけない危機感に
早足で立ち去ろうとした時・・・彼女の机の横に
バッグと共にかかっているものに目が行った。
ヘルメット・・・。
登校中に自転車に乗る人が強制的にかぶらされる白いヘルメットだ。
赤いラインが入っていて、ボロボロにしてしまう人はかなりボロボロだが
彼女はやっぱり綺麗に使っていた。ピカピカのヘルメットを
僕はかぶっていた。彼女のサイズに合わせてあるヘルメットは
かなりきつくて首を締め付けたが、その苦しささえも心地よかった。
彼女の使うヘルメット・・・彼女のヘルメット・・・
今は僕の・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いかがでしたでしょうか?(笑)
突然何が始まったの?って感じだったっしょ?(爆
今日、派遣のバイトがさかなりの田舎で、ヘルメットをかぶって
登校する中学生が沢山いたんよ。ホント群れでいると何か不思議でさ。
そんな事を思ってたらこんなストーリーが頭に浮かんできてね(爆
「好きな子のリコーダー・・・」
は良く聞くけど
「好きな子のヘルメット・・・」
だったらどうかな?って思ったんだ(爆死
たったそれだけの思いつきで浮かんだストーリー。笑えたかな?
ひょっとしたら田舎だと結構実話だったりしてね(笑
愛想の無い電子音・・・僕等の開放の合図だ。
「おっしゃー!」一番に廊下に飛び出したのは人気者のキヨシだ。
それを待っていた様に取巻きの何人かが後を追う。
僕等を縛り続けていた石川先生(通称ゴエモン)は
まだ黒板に他人の生涯を書き続けている。
何の変哲も無い普通の日常・・・違うのは僕の頭の中だけだろう。
「おい!メガネ!」
突然呼ばれて驚きながらも声だけで、それがミノルである事がわかった。
「な、なんですか?」
心の中では呼び捨てに出来ても、口からは決して出せない。
僕のこのクラスでの地位である。
いつもの様に頼まなくてもいい様な用事を頼まれて階段へ向かう。
ふと・・・一昨日の事が頭に過ぎった。
アキコちゃん・・・呟いていた・・・。
僕の心の中とは裏腹に優しく鮮やかな明かりを点している
自動販売機の前に着くといつもの様に自分の財布から小銭を取り出し
ミノルに頼まれたグレープ味のソーダ水を買う。
殴る様に拳でボタンを押す事だけが僕の唯一の反抗で
無機質な飲み物が落ちる音が廊下に響き、空しさに襲われる。
いつもの事だ・・・。
「グレープ・・・好きなんですか?いつも買いに来てますよね?」
一昨日だったか・・・この時、後ろから突然話しかけられて
ハッとしたんだ。振り返ると微笑みながら僕を見る女の子が立っていた。
その笑顔が本当に可愛くて何故かドキドキして
「うん。グレープ・・・大好き。」
嘘をついた。グレープのソーダ水なんかミノルの顔がチラついて
ここ数ヶ月飲んだことがない。
そんな些細なやりとりだったけど、忘れられなかった。
いつもは無感情に従うだけだったミノルからの要求も
彼女に会えそうな気がして、何故か嬉しかった。
下校時に女友達に囲まれている彼女を男達に囲まれながらみつけたのは
昨日の事、「アキコ~!待ってよ~!」
アキコって言うんだ・・・僕は殴られながら知った。
ウーーーーーッ!!!!!
突然けたたましいサイレンが鳴って学校が突然騒がしくなった。
「これは避難訓練です。校庭や教室にいる人は
近くの先生の指示に従って・・・」
聞き慣れている放送委員のアナウンスが流れて状況がわかった。
早く教室に戻らなきゃ!ミノルに頼まれたソーダ水を振らない様に
左手を固定しながら二段抜かしで階段を登っていった。
二階と三階の間の踊り場に差し掛かった辺りで目の前に緑色の上履きが
見えた。この学校の上履きは赤と青・・・転校生の証拠、ミノルだ。
ジュースを買ってきた僕にいつもの様に軽い感謝を告げて
誰にも聞かれないようにサイレンに掻き消されそうな声でこう言った。
「おい!メガネ!逃げ遅れた方がおもしれぇとおもわねぇか?」
僕の腕を掴んで二階のトイレに連れ込んだ。
掃除用具が入った個室に僕を詰め込んで拳を構えた。
汚い笑顔、歯が黄色い、煙草でも吸っているんだろうか・・・
ミノルならおかしくは無い・・・
そんな事を思いながら僕は殴られていた。
意識は残像の様なサイレンを残して遠くへと消えていった。
あれからどれぐらい経ったのだろう・・・顔に当たっているモップが
ほのかに湿っていて気持ち悪い。「痛っ!」頬が痛い。お腹が痛い。
ヨロヨロと立ち上がりながらトイレから廊下に出た。
辺りは静まり返っている。
遠くの方で堅苦しい話をしていそうな声が響いているのがわかった。
そうか・・・防災訓練・・・。そんな事を思い出しながら
フラフラと目的地も無く歩いていく。
すると「アキコ!早く~!みんな外だよ!」「ごめんごめん。」
聞き間違えるはずがない。彼女だ。アキコちゃんだ。
何故か非難が遅れた様子のアキコちゃんの後姿を見ながら
出てきた教室を見る・・・「1年C組・・・」
一年後輩だと初めて知った。
気が付くと僕はC組の教室に足を踏み入れていた。
何故か、彼女の席を知りたくなったんだ。
休み時間中の避難訓練だった為か、授業の残骸が机の上に散乱している。
そこからアキコという名前を見つけるのは造作も無かった。
窓際から内へ3列目の後ろから3列目、そこに彼女の席はあった。
座って机に顔を伏せる・・・彼女の匂いがするみたいだ。
僕はおかしくなってしまったのだろうか・・・
でも彼女に凄く近づけた気がした。
ドキドキしながら立ち上がり、その場を去らねばいけない危機感に
早足で立ち去ろうとした時・・・彼女の机の横に
バッグと共にかかっているものに目が行った。
ヘルメット・・・。
登校中に自転車に乗る人が強制的にかぶらされる白いヘルメットだ。
赤いラインが入っていて、ボロボロにしてしまう人はかなりボロボロだが
彼女はやっぱり綺麗に使っていた。ピカピカのヘルメットを
僕はかぶっていた。彼女のサイズに合わせてあるヘルメットは
かなりきつくて首を締め付けたが、その苦しささえも心地よかった。
彼女の使うヘルメット・・・彼女のヘルメット・・・
今は僕の・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いかがでしたでしょうか?(笑)
突然何が始まったの?って感じだったっしょ?(爆
今日、派遣のバイトがさかなりの田舎で、ヘルメットをかぶって
登校する中学生が沢山いたんよ。ホント群れでいると何か不思議でさ。
そんな事を思ってたらこんなストーリーが頭に浮かんできてね(爆
「好きな子のリコーダー・・・」
は良く聞くけど
「好きな子のヘルメット・・・」
だったらどうかな?って思ったんだ(爆死
たったそれだけの思いつきで浮かんだストーリー。笑えたかな?
ひょっとしたら田舎だと結構実話だったりしてね(笑
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プロフィール
HN:
YOSHIAKI YAMADA
年齢:
41
HP:
性別:
男性
誕生日:
1983/09/01
職業:
シンガーソングライター、冒険家、俳優
趣味:
新しい居場所探し、冒険、掃除、映画鑑賞、音楽鑑賞、酒
自己紹介:
「自分の為に人の為」
その言葉を2009年の
弾き語りしながら無一文での人生をかけた
日本一周の旅の終点で心の中に見つけ、
その真意を人に伝えています。
歌で、それこそトークで、
笑いと涙をお届けしながら活動中☆
時に講演、時にダンサー、時にボイストレーナー
時にシンガーソングライター・・・
その実態は・・・(笑)
HPにてブログほぼ毎日更新中!
更にはオリジナルの楽曲が
無料で聴けます☆
中国に伝わる神、蛟竜は・・・
雲雨を得ると無敵の力を発揮するという。
ならば雲雨を得られぬ時はどうしているのだろうか?
きっと、その手を伸ばしているのではなかろうか。
現状から脱する為にその手を伸ばしているだろう。
蛟竜が無敵の力を得る為に足掻くように
僕等も足掻いているのかも知れないよ?
未だ見ぬ安らぎ、夢、希望を求めて・・・。
その言葉を2009年の
弾き語りしながら無一文での人生をかけた
日本一周の旅の終点で心の中に見つけ、
その真意を人に伝えています。
歌で、それこそトークで、
笑いと涙をお届けしながら活動中☆
時に講演、時にダンサー、時にボイストレーナー
時にシンガーソングライター・・・
その実態は・・・(笑)
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中国に伝わる神、蛟竜は・・・
雲雨を得ると無敵の力を発揮するという。
ならば雲雨を得られぬ時はどうしているのだろうか?
きっと、その手を伸ばしているのではなかろうか。
現状から脱する為にその手を伸ばしているだろう。
蛟竜が無敵の力を得る為に足掻くように
僕等も足掻いているのかも知れないよ?
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