嘘だと言って！！

朝もはよから日曜日・・・のんびりとした空気の流れる電車内。

巣鴨へ向かうおばちゃんの群れ
池袋で降りる異様と個性的ギリギリの若者達
何処へ連れられていくのか子供達

俺は降りる人の一際少ない「目白」で眠い目をこする。

何故なら今日も稽古だから・・・
日々鍛錬！！！やるときゃやる男！！人が休む時こそ頑張るのじゃ！！！
そう、自分を震わせながら稽古場へ向かうのでした。

稽古場に着くとバタバタと忙しい。右往左往する出演者。
そうか・・・今日はあの場面か・・・
俺の出番が無いから仕方なく端っこで台本を流し見ながらストレッチ。
ワシの出番は・・・もうちょいだな・・・

「少しここの動きを固めよう！」

この舞台のボスからの言葉で更に端っこへ追いやられる俺・・・。
ふん・・・別に良いんだ・・・人がされてる駄目出しをメモったりする。
それにしてもなんてポカポカ陽気なんだろうか・・・
睡魔が俺の肩を叩く・・・ふわぁぁぁぁぁ（欠伸

「山田君！」

あ！！！呼ばれた！！！「はい！！は～い！！！ここです☆」

「あ！山田君は君だ！！間違えた・・・君誰だっけ・・・？」

ま、間違えられただけ・・・？ショボーン・・・
再び隅っこでストレッチ・・・。

かなりの時間が経過しております・・・流石に嫌な予感がしてきたぞ。
残り時間がどんどん少なくなってきて・・・
遂に終わりを告げてしまった・・・。出番ゼロ。絡みもほぼゼロ。

朝もはよから日曜日・・・眠い目をこすりこすり・・・
日々鍛錬！！！やるときゃやる男！！人が休む時こそ頑張るのじゃ！！！
そう自分を震わせながら稽古場へ向かったんだ俺・・・。

あ！！！そっか嘘だ！！！今日エイプリルフールだもんな！！！
嘘だ嘘☆俺、バッチリ稽古したね！！いや、むしろ家で寝てた☆
うん！！！嘘！！！嘘に決定！！！嘘に決定だ！！！

嘘にする事にした。